I make it a rule to get up six.
という文を生徒に訳してもらったら
「6時に起きるためにルールを作る」
という、それっぽい訳が帰ってきました。
このように、高校生にはitやthatをみないことにしてしまう、「it, that無視症候群」という病気が蔓延しています。itやthatは、なにかのはずみで入ってしまった単語ではありません。
さて、「6時に起きるためにルールを作る」なら英語は
I make a rule to get up six.
のはず。では、元の英文のitはどういう役割をしているのか?
もちろん、
I make it a rule to get up six.
において、itは形式上の目的語。it = to get up six であります。英語では長いフレーズは後回しにされるというやつです。
すると、make の後ろに名詞が2つ連続しますから、makeは第5文型で
「私は6時に起きることを規則としている」
くらいでよいでしょう。わざわざmake it a rule to-を熟語として覚えるまでもありません。
英文中の全ての単語の品詞と役割を説明できるようにならないと、英語は読めません。「品詞なんて分からなくても読めるやーい!」という人は、本当は読めていないのに読めた気になっている幸せな人です。「英語といったら単語と熟語を覚えてあとは長文問題」と聞いて、なんとも思わない人のことです。