九州旅行のために九州の地質を予習していたところ、珍しい岩相を見つけました。
この紫色のところは斑れい岩です。
斑れい岩は深成岩のなかでもっとも有色鉱物の多い岩石ですが、日本では深成岩といえば花崗岩か閃緑岩のところが多く斑れい岩はなかなか見られません。しかも日本では珍しい古生代。
地質図上では広範囲に斑れい岩が分布していますが、実際には植生や人工物に覆われているので斑れい岩が露出している場所(露頭)を探さないといけません。斑れい岩の露頭をしらべてみると「不動岩」というちょっとした有名スポットを見つけました。
遠くからみるとかなり目立ちます。
近くでみてもものすごい存在感があります。
このを登ることができるらしく、息を切らしながら10分くらい頑張って登りました。
喉カラカラで大変でした。
登って何があるかというと、不動岩の根本とほとんど同じ岩石が観察できるだけでした。
「斑れい岩」といえば深成岩なので等粒状組織の岩石かと思いきや、ぱっと見では礫岩です。最初の感想は「これが深成岩?!?!」でした。
しかもこの礫岩、淘汰度がかなり悪いです。つまり、10 cm大のものから2-3 cm大のものまで大小さまざまな礫を含んでいます。礫は角がとれた円礫です。
角が取れた岩は、川の下流や海岸で収集できます。ということはこのレキはもともとは海で固まったもの?
一つ一つを観察してみると、見た目はチャートのようななんとも均質な岩石でどれも赤紫色をしています。
調べたネット情報と合わせると
・もともと古生代(5億年前頃)に斑れい岩が出来た
・その斑れい岩が風化して川を下って大小さまざまなサイズで海にたどり着いた
・たどり着いた海で堆積して固まった
・固まったものがその後の地殻変動で地表に現れて今の不動岩に至る
ということと理解しましたが・・・。
でも堆積して固まったら、もっと砂とか泥のような基質がないとおかしい気がします。
謎の深まる岩石でした。
ちなみにこの岩は、君が代の「さざれいしの巌」の題材となった、とてもありがたい岩らしいです。