福岡にある志賀島(しかのしま)に行ってみました。
海岸線をドライブしているとたくさん露頭がありました。
さっそくこれはなんでしょうか。
遠目からは砂岩岩脈に見えました。砂岩岩脈というのは、泥岩と砂岩が互層になっていて泥岩が未固結のときに、砂岩が泥岩に割って入ることでできる互層の乱れです。
でも目を近づけてみると砂岩や泥岩ではなく、等粒状組織の深成岩だったので違います。そこで、他の部分を見てみると
これは・・・花崗岩中に含まれる、レンズ状角閃岩に見えます。
花崗岩中に玄武岩が貫入するときに、玄武岩が花崗岩に急冷されて角閃岩という写真でいう黒いアザのような岩石ができます。おかゆの中の米粒みたいなイメージです。
花崗岩に流動性があると、この角閃岩が引き延ばされます。
花崗岩が固結していると、角閃岩が岩脈になります。
この下の写真には横に入った筋が見えますが、これは岩石に割れ目が入ったあと、その割れ目に鉱物が入った固化したもので、他の模様とは形成年代が異なります。
鉱脈といって、石英・方解石・長石が形成することが多いです。
それにしても、これは角閃岩中に花崗岩があるように見えますが、なんででしょう。謎です。
明らかに岩脈ですからね〜。玄武岩が固化したあとに、さらに別のマグマが貫入したのか?気になります。
花崗岩を遠目でみると、直方体の段になっているように見えます。
これは板状節理(ばんじょうせつり)といって、花崗岩が冷え固まるときに流れた方向に筋が入って固まったものです。この写真ではおそらく手前から向こう(or向こうから手前)に花崗岩が流れていったのだと思います。でもたしか板状節理って水平に筋が入るので、固まったあと90度近く傾斜したのかも?
志賀島は地質観察のために行ったわけではなく、ただ単にドライブのために寄ってみただけでしたが、思いのほか面白い露頭を観察できました。