月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

瑞浪市化石博物館と化石発掘体験

瑞浪市の化石博物館に行ってきました。

 

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瑞浪市には瑞浪層群という新生代の堆積岩の地層があり、そこで多くの化石が産出されます。

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館内はワンフロアでそこまで広くありません。

 

化石博物館の近くの河原に砂岩の露頭があり、そこで化石発掘体験を行えます。発掘体験といってもセルフサービスなので、発掘用具を自分で用意していきます。

化石発掘のために大切な予習は、どのような化石が産出されているかあらかじめ確認しておくことです。とくに化石を初めて探す人にとっては、どんな大きさや形のものが見つかるか知っておかないと「これが化石?」状態が続いてしまいます。

博物館内では、各地層で産出される化石の展示があるので、この展示をよく見て頭にたたき込んでおくと良いです。

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といっても、河原露頭で見つかるのはせいぜいウソシジミのような二枚貝くらいなので、小さい二枚貝の形と色だけ覚えておくと良いと思います。


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瑞浪の化石といえばデスモスチルスです。新生代の新第三紀に生きていました。
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デスモスチルスは骨格の復元にあたって、シルエットがカバのようにひじをまっすぐ立つのかワニのように曲げるのかで議論があったようです。この展示はワニ型になっていますが、私が大学で地球生物学の授業を受講したときの先生は研究の結果まっすぐ型だと判断したと言っていました。物理で学ぶ力のモーメントで計算した結果だということです。

 



車で5分ほどの場所に河原の露頭があり、そこから少し離れたところに臨時駐車場があり車を止められます。駐車場からは歩いて10分くらいです。化石掘りにあたっては事前に博物館受付で入場許可をもらうことが必要です。


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この日は前日が雨だったので、河原がびしょびしょです。

周りの人はみんなタガネとハンマーを用いてせっせと露頭を砕いていましたが、結構大変そうでした。私はタガネを持っていなかったこともあり、その辺に落ちていた手のひらサイズの石ころをどんどん割っていきました。

正直、割れさえすればいいのでわざわざ露頭を砕かなくてもすぐに化石なんてみつかります。ただ、タガネでカンカンやると地質調査をしている感はありそうです。

5個割れば1個は貝化石が見つかります。
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柔らかめの砂岩なので割るのも簡単です。

植物の化石が見つかったのが嬉しかったです。



写真では分かりづらいですが、葉脈がしっかり見えます。

これから化石発掘体験に行く予定の人向けに、必要な道具をご紹介します。

まずはハンマー

 

これが地質調査で最も有名なEstwingのハンマーですが、よほど好きな人でないと値段が高すぎます(7000円くらい)。あと重くて小学生くらいだと扱えません。

でも持っているとすごくテンションが上がるので、好きな人は是非買って下さい。買ったら無くす前に連絡先を書いておきましょう。私は三ヶ月前に猿投山でなくしましたorz

 

こんな感じで頭の大きいハンマーだと砕きにくそうなので、頭が小さくて取り回しが良いものがおすすめです。

 

これだと2000円ほどで買えます。頭がコンパクトなので岩石も割りやすいと思います。割るときはとんがった先ではなく四角い面の頭を使います。

 

自宅にあるトンカチ類でも石は砕けますが、頭が小さい軽いハンマーだとなかなか割れないかもしれません。割れない場合は同じ場所を何度も叩きます。ハンマーの頭をぶつけた後は石で止めずに、石から反動するようにぶつけます。

 

タガネは形が二種類ありますが、瑞浪の露頭は層になっていないので先が鉛筆のように尖ったものが良いと思います。

タガネをハンマーで叩くかわりにハンマーでハンマーをたたく人もいるそうですが、ハンマーが割れて破片が飛び込んでくるので危険です。大学の先生は、それで失明した人を知っていると言っていました。

記事中でも書きましたが、わざわざタガネで露頭を割らないでもそのへんに落ちている手のひらサイズの岩石を割るだけで化石はざくざく出てきます。

 

絶対に用意しておいて欲しいのは保護めがねです。

 

ハンマーで岩石を割ると、岩石の破片が飛んできます。お子さんの場合、岩石と顔面が大人よりも近くなるので大人よりも危険にさらされます。お父さんorお母さんがハンマーで叩いて、子どもが近くで見てるときでもつけたほうがいいです。

日常的にメガネを使っている人は傷ついてもよければそのメガネを持参してください。

 

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
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