月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

石川県の地震と清須市 2

元日の石川県の地震について。ニュースでは震源が地下10km(浅い!)と直下型だったのでどういう断層の活動だったのか気になって調べてみました。

地震といえばプレートのぶつかりあいというイメージが強いと思います。東北のときもそうだったし、これから来る予定の南海トラフも同様です。しかし昨年の能登半島の地震の調査では、地下の水が引き起こしたとされていました。(昨日の地震も同様らしい)

https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20230613-12718.html

地下にある水が地下の断層に浸入して、その断層がスロースリップしたとあります。スロースリップとは地震にならないゆっくりとした断層のズレのことです。すべり面の摩擦力が小さくなったということだと思います。

地下のスロースリップによってずれた断層が、地表近くの活断層を動かして地震を引き起こしたということです。

そもそもなんで地下に水があるかというと、雨水の浸透とかではなくて、プレートの沈み込みによって岩石が地下深くに潜り込むとある圧力でOHを含んだ鉱物から脱水するからです。(乾いた雑巾を思いっきり絞って水がでてくるイメージ)

ちなみにこの図の活断層、上盤(うわばん)がずり上がっています。こういう断層は逆断層と呼ばれています。逆断層と正断層の判別はテストに出ますよ!

スロースリップ(Slow Slip Event, SSE)の研究は測地学のなかで最近解明が進んでいる分野です。南海トラフでもSSEは発生しています。歪みのエネルギーが全部SSEで開放されればいいのにと思います。

目に見えない地下の出来事も、科学の研究によって解明されていきます。地震の被害にあわれた方の無事を祈りつつも、中高生諸君はぜひガリ勉しましょう。日本の中高生のガリ勉の延長線上で、こういう研究が進んでいます。

日本は地震大国ですので、理科の選択に迷っている人はぜひ地学を履修しましょう。とくに文系の人!地学基礎は学んで役に立つだけでなく、簡単で覚えやすく高得点を狙います。おすすめですよ。

 

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