マザーゲームの話のなかでは教育ママたちがマウント合戦を繰り広げていました。身につけているものや、夫の年収によって上下関係が決まっていくらしい。
うちの娘の幼稚園でも似たような話があるので全国いろんなところで発生しているのでしょう。それにしても自分の稼ぎならまだしも他人のふんどしでそこまで張り合えるのは不思議です。
人生で他人と比較すると基本的には不幸に近づきます。これが自分の所持品などを他人と比較する分には自分が不幸になるだけだからまだ救いようがあるんですが、自分の子供の学力を他人の子供の学力と比較すると被害を被るのは子供です。思春期の子供は親にプレッシャーをかけられると期待にこたえようとかなり無理をします。期待された学業成績をとったときに親が喜ぶもんなら、さらにがんばり続けます。「ママ、パパ、私をみて!」という悲痛な叫びが聞こえます。
ドラマ内ではそのような期待をかけられた子供が楽器演奏の発表本番で手が動かなくなり演奏を止めてしまう、というかなり穏和な表現の仕方をしていましたが、中高生の場合には朝起きたら強烈な身体の重さを感じて学校にいけなくなるなどもうちょっと深刻な状況にから始まることもあります。
このドラマの示唆に富むところは、本番で手が止まってしまった子供は母が姑からいじめられているという設定です。現実世界においては、子供を学業成績で追い詰める親は、親自身が幼少期に学業成績で追い詰められていることが多いようです。演奏中に手が止まってしまうというのは一見子供の問題のように思えますが、実際に何か問題を解決しなければならないのは子供ではなく親であるということです。