月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

無償化だめでしょ

国民民主党の手取りを増やす所得控除の増額はかなり期待していたんですが、なんと178万円どころか123万円の着地。結果は微妙なので残念ではありますが、国民のために働こうという政治家がいることには感動しました。

しかしキャスティングボードを握ったたとまで言われていた国民民主党にたいしてなぜ自民党が強気に出られるのか?それは自民党が維新の会の賛成を得られそうだからとか。

で、その維新の会は「教育無償化」が政策らしい。ふ、ふざけてます・・・

私はどんなものでも無償化には反対です。

第一に、無償化するということは「大きな政府」を支持するということです。国民はたくさん税金を払って、そのお金の使い道を政府が決めることで無償化が実現されます。無償化を支持するのと増税を支持するのは同じことです。

第二に、無償化することでサービスの質は下がります。もし塾の授業料が無償化になったらどうでしょうか?

年間100万円まで授業料が無償化されたとして、今まで高3からしか通塾させなかった家庭が高1から通塾させるようになるとして、「無料だしとりあえず通わせておくか」くらいのノリで通塾がスタートします。塾側も「サービスが多少悪くても許してくれるっしょ」という授業になります。

でももし同じ100万円でも、お父さんが稼いだ給料が100万円増えてそれを塾代に使うとなったら?当然、「ほんとに100万円払う価値がある塾なの?」ということを考えるし、塾側も手抜きせずしっかり働きます。

お金に色はありませんが、お金を支払う人のメガネには色がついています。

教育の無償化といえば私立高校の無償化と関係がある人もblog読者のかたには多いと思います。恩恵にあずかっている人もいれば、逆に年収が高くて自腹という人もいるはずです。たくさん稼いで税金を払っている人が恩恵を受けられないというのも、無償化のもたらす歪みの一つです。

無償化はとにかく市場を歪めます。

でも、案外多くの国民は無償化を望んでいるのかも。

よく政治家が「金持ち優遇の政策はいかん!」とかいってますもんね。所得控除の増額にしたって、所得の高い人(=税率の高い人)ほど絶対額が大きくなるに決まってますが、それが許せない人もいるらしい。

みんな働きたくないし、働いて稼いでいる金持ちも許せない、怠惰な国民性なのかもしれません。だから、今これだけ国民負担率が高いのも、多くの国民はそれを望んでいるってことですよね。私は嫌だけど。

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