月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

教えるときの落とし穴

大学受験数学の問題を何年もずっと解いてると、たいていの問題は解法を暗記してしまいます。チャートに至っては基本的な解法のほか、いくつか別解もパッと思いつくものもあるし、複数の問題の関連性を教えることだって出来てしまいます。

しかし、私が何十回も解いた問題を解説するのにたいして、高校生はその問題を授業で初めて見聞きします。私にとっては解答の流れを覚えてしまっているので、結論を導くために「まずここは両辺をxで割って〜」とか「とりあえず」という説明が自然に感じられても、生徒からしたら「なぜいきなり両辺をxでわるのか」という疑問を持っている場合がいくらでもあると思います。

このように、教える側は全て分かっているのに、教わる側は全て分かっていない、というのが「この先生の授業わかりにくいなあ」という感情がうまれる多くの原因でしょう。

なのでなるべく解法の必然性を説明していく努力が必要です。しかし、なかには「これはこうやって解きすすめるもの」としか言えない問題もあるので、そのときには「この問題はこういう一本道の解法だから、そのまま覚えて」ということになります。

今私は化学の勉強をコツコツ進めていますが、新しいことを学ぶと「なんでここでこれ?」という場面に出くわすので、初心を思い出せるという点で効果があります。

 初めて学ぶというのは、半径50cmしかライトで照らせない暗闇を歩くようなものです。私は目が慣れてしまって(教習所で『暗順応』で習いますね)いるのでスイスイ進める道でも、生徒からしたら真っ暗で見通しがたたない、という感覚は忘れないでいたいものです。


清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp