月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

無駄だけど無駄じゃ無い

高校受験の5科目の勉強量<大学受験の数学1科目の勉強量

と昨日書きましたが、真偽はどうであれ大げさなことではありません。大学受験の数学を網羅しようと思ったら、高校3年間毎日ずっと数学と向き合う必要があります。

高校受験では人生は変わらない、変わるのは大学受験だ、と常々考えておりますが、大学受験の結果と高校受験の結果にある程度相関関係があるのも事実です。もちろん、「一宮高校生だから」名大に受かるとか、「新川高校生だから」受からないとかいうわけではなくて、一宮高校に行くような生徒は毎日の勉強習慣がついているから受かる可能性が高くなるのですが。

これまで中学3年生を何人か見てきましたが、中学時代の勉強というのは勉強のやりかた云々よりも「定期テスト前の何週間前から勉強を開始したか?」によって結果が左右されます。テスト2週間前なら上位20%程度で、3週間前なら15%、4週間前なら10%で、テスト期間にかかわらず毎日なら7%、くらいのイメージです。

この私の計算で言うと、中学時代から一宮高校に受かる生徒(つまり学年で上位5%程度)は年中勉強をやり続けている割合が高く、その習慣のまま高校生になっても年中数学をやり続けることが出来て、大学受験でも結果が出る可能性が高い。そりゃ3人に1人が名大にうかることです。

しかし注意すべきなのは、高校受験で蓄積した知識によって大学受験がそれほど優位になるわけではないということです。たしかに最低限は「be+過去分詞=受動態」とか「to不定詞は名詞、形容詞、副詞用法がある」とか覚えていないと困りますが、英語でいえばそれ以上の知識は必要ありません。というか、そもそも教科書に書いてありません。高校受験というのはどれだけ満点に近いかという競争ですが、ご存知のとおり90%の出来上がりのものを95%、あるいは99%へと上げるのは相当な労力を要します。その労力は、残念ながら大学受験にさほど役立たないということです。90%のものを95%に仕上げる、つまり問題集の正答率を5ポイント上げるために勉強するなら、次のレベルの難易度、いいかえれば高校レベルの参考書に取り組んで、正弦定理とか余弦定理を学んでみるほうがよほど大学受験に効果をもたらします。

ただし繰り返しますが、95%、99%へと正答率を高める過程で身につけた「長時間勉強することが普通である」という感覚は、大学受験に直接つながるので、高校受験の勉強は「無駄だけど無駄じゃ無い」という不思議なものです。


清須市の大学受験 相伝学舎
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