月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

オセロの最後の白

サービスを買ってもらうためには少なからずサービスの方針に共感していただく必要があるので、「合格最低点をとるために必要なことを」とか「自習中心で」とか言うよりも「現役で国公立合格」とか「学校での勉強を完全サポート」みたいに打ち出していったほうが共感が得られ、結果として塾にあつまる人も多くなると思います。

もちろんそんなことは絶対やらないんですが、なぜやらないかというと受からないからです。

塾というのは月に数万円かかり、高1〜高3の3年間通して通えば自動車一台買える金額になります。

当塾の場合は、大学生スタッフが3名おりますが塾の指導方針を考えて判断していくのは私一人であり、したがってその自動車一台分の責任を私一人が負うことになります。

幸い今まで残念ながら受験結果が納得いくものではなく浪人を選んだ生徒の保護者から「おい、いくら使ったと思ってんだよどういうことだよ」などと怒鳴り込まれたことはなく、むしろそういう場合でもご丁寧にご挨拶いただくこともあり、塾のサービスについてよく理解していただいている保護者のかたが多いのは感謝すべきではあるのですが、そこに甘えるのではなく第一志望の合格可能性を高めるというその一点を常に追求していくのが私の仕事であることに違いはありません。

そう考えたときに、学校の勉強をサポートするような方針はたしかに共感がえられるかもしれないし、生徒の負担も少ないのかもしれませんが最後の最後で受からない可能性が高いことを考えるとありえないわけです。

自動車一台分支払って頂いて、最後の最後「いや、やっぱそれじゃ受からないっすよね〜w」とか、それこそ割腹しろという話ですよね。

高校のうまいところは、最後の最後センター試験終了後に生徒のそれまでの第一志望からは2ランクも3ランクも低い大学を探してきて「ここならA判定だ」という大学を受験するよう生徒にすすめるところです。センター後A判定かB判定で、センター比率が高ければ受かる可能性はかなり高いです。しかし生徒が探し出して選んだならまだしも、それを指導者側がやるのはアリなのか?

結局、コッコウリツなら受かってしまえばどこでもオセロの最後の白のようなもので、全てが白になっちゃうんですよ。だからそれまでの勉強の非効率さ、学力に結びついていないことなど消えてなくなってしまいます。

でも自動車一台分をダイレクトに私に支払っていただいていて、塾にはそんなことしてごまかせるような逃げ道はないですから、覚悟を決めて生徒の学力を高める道を選んでいかないといけないわけです。

だから、多少KYであっても「内職しろ」とか「宿題やる時間は自習に含めない」みたいなことを伝えていって、生徒や保護者の短期的な共感より生徒の長期的な学力獲得に優先をおかないといけないんですね。

は〜まじめすぎ

 

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp