月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

きよしこ / 後悔病棟 / 和菓子のアン / まほろ〜

きよしこ 重松清

吃音の少年が成長していく話。吃音の子をもつ母親が、この作者に手紙を書いた返事代わりの作品らしいが、その子はこんな話(吃音の少年がつらい思いをする話)を読んで嬉しいだろうか?

面白度:コンパス4つ

🧭🧭🧭🧭◯

 

和菓子のアン

デパ地下の和菓子屋さんの話。お客さんが買う和菓子の構成(種類や個数)から「ひょっとして会社でクーデターが起きているのでは?」みたいな推理をする。そういう推理をされた客は「そんなの分かるの?嬉しい!また買いにきます!」みたいに喜ぶのだが、私ならそんな推理されたら気持ち悪くて二度と行きたくない。小説だからこそのミステリー要素ということだと思うが、ミステリーは殺人など非日常とかけあわさるから受け入れられるんであって、日常×ミステリーはミスマッチ。主人公の独り言も癖が強くて気持ち悪い。

しかし作中で主人公が和菓子を食べて味をレビューするのは表現が上手くて、自分がその和菓子を食べているような錯覚にさえおちいる。食レポレベルが異常に高い。

面白度:コンパス2つ

🧭🧭◯◯◯

 

まほろ駅前多田便利軒

便利屋さんの話。舞台である「まほろ市」はたぶん東京都町田市がモデル。この「まほろ」という響きがあんまり好きじゃないので話が入ってこなかった。話自体も抑揚がない。苦手な食べ物を鼻つまんで食べきった感じ。

面白度:コンパス2つ

🧭🧭◯◯◯

 

後悔病棟

死に間際の患者に不思議な聴診器を当てると、その間患者は人生でやり直したかった時代にもどってやり直すことができる。超面白い。

面白度:コンパス5つ

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