月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 10

さて、まるまる夏休み分を過去問演習に費やした結果、名市医学部の合格点近くとれるようになってきていました。入試当日、全ての科目でそれなりに相性が良ければ合格点にのるだろう、というくらいの感覚を私は持っていました。本人も、たぶんそのくらいに感じていたと思います。現役でそこまで持って行ければ受験「生活」は成功です。難関大学に確実に合格できるところまでは、公立高校に行っている時点で無理です。

当日の朝は会場まで応援しにいってやったんですが、本人が緊張していたのはもちろんのこと私もだいぶ緊張してました。Kさんに限った話じゃないんですが、生徒の本命の入試当日は緊張しますね。私が緊張したところで、何も出来ないんですけどね。

2日間にわたる試験が終了して、翌々日くらいに塾にきたときに感触をきいたら「英語7割、数学6割、理科が7割くらい」と言っていました。後日、成績開示してもらったらだいたいこの通りだったので、やっぱ出来る生徒はスゴイですよね。

後日判明した名市の結果ですが1200点満点中、合格最低点が953点に対してKさんの得点は935点で、その差18点。100点満点のテストに換算したら1.4点です。別に大手予備校のカリスマ授業に通ったわけでもなく、医学部専門予備校に通ったわけでもなく、定番の参考書、それもド定番のものを何度も繰り返して得た知識で大将の首元まであと一寸というところまで刃が届いていたのです。

この点は口だけではないまじめな難関大志望者に伝えていきたい点です。たしかに学校の言う通り「塾や予備校にいかなくても」難関大に合格する生徒はいます。Kさんの勉強はほとんどが自習中心だったし、最近ある生徒が「兄は予備校にいかないで京大に受かりました」と言っていました(すごすぎ!)。実際に、年間に何十万円、ときに100万円以上もお金を払って特別な授業を受けなくても、参考書のチョイスを誤らなければ(それが一番難しいのですが)ちゃんとした学力はつきます。

しかし、そのことと「学校の勉強だけやっておけば十分」かどうかは別の問題です。愛知県に限らず、全国の田舎の進学校では難関大にうかる素質はあるのに、極めて非効率な勉強ばかりやっているがゆえに学力がつかない高校生が何万人もいることが容易に想像できます。「入試当日の得点にもっと直結する勉強があるんじゃないか」と疑える人がそういう高校生をごぼう抜きして合格していくのです。

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